キュービクル(高圧受電設備)の更新を検討する際、 多くの方が最初に不安に感じるのが 「全部交換しないといけないのか?」 という点ではないでしょうか。
実際の現場では、 すべてを交換しなくても安全性を確保できるケース も少なくありません。
重要なのは、 「全交換か、現状維持か」という二択ではなく、 正しい情報をもとに、最適な改修方法を選ぶことです。

■ キュービクルは“構成部品ごと”に劣化が進む
キュービクルは一つの設備に見えますが、 内部には複数の重要機器が組み合わさっています。 • 変圧器(トランス) • VCB(真空遮断器) • LBS(負荷開閉器) • 高圧ケーブル・端末 • 保護継電器 • 低圧盤
これらは 同じスピードで劣化するわけではありません。
例えば、 トランスはまだ使えるがVCBは寿命に近い、 ケーブル端末だけが著しく劣化している、 といったケースは非常に多く見られます。

■ 部分改修という選択が有効なケース
次のような状況では、部分改修が有効な選択肢となります。 • キュービクル本体(外箱・基礎)の状態が良好 • トランスの絶縁状態に問題がない • 一部機器のみが耐用年数を超えている • 設備全体の更新予算を段階的に組みたい • 停電時間を最小限に抑えたい
この場合、 劣化が進んでいる機器だけを更新することで、 安全性を確保しつつコストを抑えることが可能です。

■ 部分改修で注意すべきポイント
一方で、部分改修には注意点もあります。 • 他の機器との寿命バランス • 将来の全更新との整合性 • 現行法規・規格への対応可否 • 次の更新時期をどう設定するか
これらを考慮せずに部分改修を行うと、 数年後に再度大きな工事が必要になるケースもあります。
そのため、 「今だけ良ければいい」判断は避けるべきです。

■ 専門店は“今”と“将来”をセットで考える
パワーパートナーズでは、 部分改修をご提案する場合でも、必ず次の点を整理します。 • 現在の設備状態 • 今回改修する範囲と理由 • 将来的に更新が必要になる箇所 • 次の更新までの目安年数 • トータルで見たコストバランス
つまり、 今の判断が将来の負担を増やさないか という視点を最も重視しています。
不要な全交換を勧めることも、 逆に無理な延命を勧めることもありません。

■ 判断材料が揃えば、迷いは減る
キュービクルの改修で迷いが生まれる原因は、 ほとんどの場合「情報不足」です。 • どこが本当に危険なのか • 今やらないといけない工事は何か • 後回しにできる部分はどこか
これらが整理されていれば、 判断は冷静に行えます。

まとめ|キュービクル改修は“最適解”を選ぶことが大切
キュービクルの更新は、 全交換だけが正解ではありません。
部分改修という選択肢を含め、 設備の状態・予算・将来計画を踏まえた最適解を選ぶこと が、企業にとって最も重要です。
パワーパートナーズは、 高圧工事専門店として、 誠実な情報提供と適切な提案で、 お客様の判断を支えます。
まずは現状を知るところから。 小さな相談でも、お気軽にご相談ください。