キュービクル(高圧受電設備)の事故や停電が起きると、
多くの場合、次のように言われます。

「まさか、こんなことが起きるとは思わなかった」
「特に問題はないと思っていた」

しかし、現場を数多く見てきた立場からお伝えすると、
キュービクル事故の多くは“突然”ではありません。

そこには必ず、
見過ごされた兆候や、先送りされた判断 が存在しています。

■ 事故前に見られる“よくあるサイン”

キュービクル事故の前には、
次のようなサインが出ているケースが非常に多くあります。

設置から20年以上経過している 点検指摘が少しずつ増えている 錆や腐食が目立ってきた 扉やパッキンの劣化 雨天時に不安を感じる 更新の話が何年も保留になっている

これらは単体では軽く見られがちですが、
複数が重なると事故リスクは一気に高まります。

■ 「今は大丈夫」が続いた結果

事故が起きるまでの流れは、
ほとんどの現場で共通しています。

今は問題なさそう 今年は予算が厳しい 来年以降に検討しよう 点検で大きな指摘はなかった

こうして判断が積み重なり、
ある日突然、停電や焼損として表面化します。

事故後に振り返ると、
「あの時に対応していれば防げた」
というケースが少なくありません。

■ 事故が起きてからでは選択肢がなくなる

計画的な更新や改修であれば、

工事時期の調整 予算分散 停電時間の最小化 工事内容の精査

といった選択肢があります。

しかし、事故後の対応は違います。

緊急工事 高額な復旧費用 夜間・休日対応 長時間停電 事業停止リスク

判断できる余地はほとんど残されていません。

■ キュービクル管理で本当に重要なこと

重要なのは、
「事故をゼロにすること」ではなく、
事故につながる判断を減らすことです。

そのために必要なのは、

現在の設備状態を知る 劣化の進行を把握する 先送りした場合のリスクを理解する 更新・改修・低圧化の選択肢を持つ

これらを踏まえたうえで、
自社としてどう判断するか を決めることです。

■ 専門店は“危険を煽る存在”ではない

パワーパートナーズは、
不安を煽って工事を勧めることはしません。

危険な箇所は危険と伝える まだ使える部分は正直に伝える 先送りできる理由があれば説明する 将来を見据えた対応を整理する

判断材料を正しく伝えること
それが専門店の役割だと考えています。

まとめ|事故は“起きてから”では遅い

キュービクル事故は、
ある日突然起きたように見えて、
実は長い時間をかけて進行しています。

だからこそ、
「何も起きていない今」こそが、
最も多くの選択肢を持てるタイミングです。

パワーパートナーズは、
キュービクル専門店として、
誠実な情報提供と現実的な提案で、
お客様の判断を支えます。

事故が起きる前に、
一度立ち止まって確認する。
その選択が、将来の安心につながります。